石 狩 挽 歌

作詩 なかにし礼  作曲 浜 圭介
昭和50年 
1 海猫(ごめ)が鳴くから ニシンが来ると
  赤い筒袖(つっぽ)の やん衆がさわぐ
  雪に埋もれた 番屋(ばんや)の隅で
  わたしゃ夜通し 飯(めし)を炊(た)く
  あれからニシンは どこへ行ったやら
  破れた網は 問い刺し網か
  今じゃ浜辺で オンボロロ オンボロボロロー
  沖を通るは 笠戸丸(かさどまる)
  わたしゃ涙で にしん曇りの 空を見る


2 燃えろ篝火(かがりび) 朝里(あさり)の浜に
  海は銀色 ニシンの色よ
  ソーラン節に 頬そめながら
  わたしゃ大漁の 網を曳(ひ)く
  あれからニシンは どこへ行ったやら
  オタモイ岬の ニシン御殿も
  今じゃさびれて オンボロロ オンボロボロロー
  かわらぬものは 古代文字
  わたしゃ涙で 娘ざかりの 夢を見る


index