十 九 の 春

沖縄俗謡歌  本竹祐助 補作詞
昭和50年 
1 私があなたに 惚れたのは 
  ちょうど十九の 春でした
  いまさら離縁と 言うならば 
  もとの十九に しておくれ

2 もとの十九に するならば 
  庭の枯れ木を 見てごらん
  枯れ木に花が 咲いたなら 
  十九にするのも やすけれど

3 見捨て心が あるならば 
  早くお知らせ 下さいね
  歳も若く あるうちに 
  思い残すな 明日の花

4 一銭二銭の 葉書さえ 
  千里万里と 旅をする
  同じコザ市に 住みながら 
  会えぬ我が身の 刹那さよ

5 主さん主さんと 呼んだとて 
  主さんにゃ立派な 方がある
  いくら主さんと 呼んだとて 
  一生忘れぬ 片思い

6 奥山住まいの うぐいすが
  梅の小枝で 昼寝して
  春が来るよな 夢を見て
  ホケキョホケキョと 泣いていた

7 私があなたを 想う数
  山の木の数 星の数
  三千世界の 人の数
  千里浜辺の 砂の数

8 雲の切れ間に 満ちる月
  あなたはなんて 無情なの
  想い願いは 幾度なく
  会えぬ月日は 幾日か


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