舟  唄

作詩 阿久 悠  作曲 浜 圭介
昭和54年
1 お酒はぬるめの 燗(かん)がいい
  肴(さかな)はあぶった イカでいい
  女は無口な ひとがいい
  灯(あか)りはぼんやり 灯(とも)りゃいい
  しみじみ飲めば しみじみと
  想い出だけが 行き過ぎる
  涙がポロリと こぼれたら
  歌い出すのさ 舟唄を
  沖のかもめに 深酒(ふかざけ)させてヨ
  いとしあの娘(こ)とヨ
  朝寝するダンチョネ


2 店には飾りが ないがいい
  窓から港が 見えりゃいい
  はやりの歌など なくていい
  ときどき霧笛が 鳴ればいい
  ほろほろ飲めば ほろほろと
  心がすすり 泣いている
  あの頃あの娘を 思ったら
  歌い出すのさ 舟唄を


  ぽつぽつ飲めば ぽつぽつと
  未練が胸に 舞い戻る
  夜ふけてさびしく なったなら
  歌い出すのさ 舟唄を


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