麦 と 兵 隊

作詩 藤田まさと  作曲 大村能章
昭和13年

徐州徐州と 人馬は進む
  徐州居よいか 住みよいか
  洒落た文句に 振り返りゃ
  お国訛りの おけさ節
  ひげがほほえむ 麦畠


2 友を背にして 道なき道を
  行けば戦野は 夜の雨
  「すまぬすまぬ」を背中に聞けば
  「馬鹿を云うな」とまた進む
  兵の歩みの 頼もしさ


3 腕をたたいて 遥かな空を
  仰ぐ眸に 雲が飛ぶ
  遠く祖国を はなれ釆て
  しみじみ知った 祖国愛
  友よ釆て見よ あの雲を


4 行けど進めど 麦また麦の
  波の深さよ 夜の寒さ
  声を殺して 黙々と
  影を落して 粛々と
  兵は徐州へ 前線へ


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