討 匪 行

作詩 八木沼丈夫  作曲 藤原義江
昭和7年
1 どこまで続く 泥濘(ぬかるみ)ぞ
  三日二夜を 食もなく
  雨降りしぶく 鉄かぶと
  雨降りしぶく 鉄かぶと


2 嘶(いなな)く声も 絶えはてて
  倒れし馬の たてがみを
  かたみと今は 別れ来ぬ
  かたみと今は 別れ来ぬ


3 既に煙草は なくなりぬ
  頼むマッチも 濡れはてぬ
  飢せまる夜の 寒さかな
  飢せまる夜の 寒さかな


4 さもあらばあれ 日の本の
  吾はつわもの かねてより
  草むす屍(かばね) 悔ゆるなし
  草むす屍 悔ゆるなし


5 ああ東(ひんがし)の空遠く
  雨雲ゆりて とどろくは
  わが友軍の 飛行機ぞ
  わが友軍の 飛行機ぞ


6 今日山峡(やまかい)の朝ぼらけ
  細くかすけく立つ煙
  賊馬は草を食(は)むが見ゆ
  賊馬は草を食(は)むが見ゆ


7 敵にはあれど 遺骸(なきがら)に
  花を手向けて ねんごろに
  興安嶺(こうあんれい)よ いざさらば
  興安嶺よ いぎさらば


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