ギ タ ー 仁 義

作詩 嵯峨哲平  作曲 遠藤 実
昭和38年 
1 雨の裏町 とぼとぼと
  俺は流しの ギター弾き
  ”おひけえなすって
   手前ギター一つの
   渡り鳥でござんす”
  峠七坂 手を振って
  花の都へ 来てから五年
  とんと浮き目の 出ぬ俺さ


2 風の冷たさ 身に沁みる
  俺は落葉か ギター弾き
  ”おひけえなすって
   手前おけさおけさの
   雪の越後にござんす”
  故郷想えば 初恋の
  死んだあの娘も 生きてりゃ二十歳
  俺もあん時ゃ うぶだった


3 情け横丁 今晩は
  俺は流しの ギター弾き
  ”おひけえなすって
   手前宿なし雀の
   流れ者にござんす”
  暗い酒場の 片隅で
  そっと笑った 空似の人の
  なぜか気になる 泣きぼくろ