赤 い 椿 の 港 町

作詩 西条八十  作曲 上原げんと
昭和26年
1 あわい旅路の ひと夜の情け
  名さえ知らない こころの妻よ
  ああ 赤い椿の
  赤い椿の咲く街で
  とも眺めた 温泉(いでゆ)の宿の
  沖の小島が なつかしや


2 おもいのこして 別れた港
  雨にしょんぼり 鴎が一羽
  ああ 赤い椿の
  赤い椿の散るように
  夢もはかない 温泉のひとに
  なんでこよいも 泣けるやら


3 小雨降る日は 胸さえぬれて
  なぜかせつない 旅行くこころ
  ああ 赤い椿の
  赤い椿が咲くように
  なさけ忘れぬ 温泉の君に
  めぐり合うのは いつの日ぞ

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