こんな私じゃなかったに 作詩 西条八十作曲 古賀政男 昭和27年 |
1 ひろい世間に ただひとり
なぜにあなたが こう可愛い 君の寝顔に 頬よせて 女ごころの しのび泣き こんなわたしじゃ なかったに 2 ひとり寝る夜(よ)の 夢でさえ 君と逢う日の ことばかり 熱い両手で 抱きしめる 紅の小夜着(さよぎ)が 恥かしい こんなわたしじゃ なかったに 3 やっと別れて 小半丁(こはんちょう) ゆけばあふれる この涙 逢瀬(おおせ)かぞえる 指さきも ぬれてやつれて 春が逝(ゆ)く こんなわたしじゃ なかったに 4 君をちらりと 見た夜から 胸はもやもや 気はそぞろ 門(かど)の柳の 葉ずれさえ あなた呼ぶよな 忍ぶよな こんなわたしじゃ なかったに |