踊   子


作詩 喜志邦三  作曲 渡久地政信
昭和32年
さよならも言えず 泣いている
私の踊子よ ああ 船が出る


天城峠で 会うた日は
絵のように あでやかな
袖が雨に 濡れていた
赤い袖に 白い雨…


月のきれいな 伊豆の宿
紅いろの 灯に
かざす扇 舞いすがた
細い指の なつかしさ……


さよならも言えず 泣いている
私の踊子よ ああ 船が出る


下田街道 海を見て
目をあげた 前髪の
ちいさな櫛も 忘られぬ
伊豆の旅よ さようなら……


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