あ あ わ が 戦 友

作詩 林 柳波  作曲 細川潤一
昭和12年
1 満目百里 雪白く 
  広袤(こうぼう)山河 風あれて 
  枯木に宿る 鳥もなく
  ただ上弦(じょうげん)の 月蒼し


2 光にぬれて 白じらと
  打伏す屍(かばね) わが戦友よ
  握れる銃(つつ)に 君は尚
  国を護るの 心かよ


3 死なば共にと 日頃から
  思いしことも 夢なれや
  君は護国の 鬼となり
  われは銃火に まだ死なず


4 ああわが戦友よ 二人して
  約せしことは 知りながら
  君が最期を 故郷(ふるさと)へ
  何と知らせて よいものぞ


5 君の血潮は 満州の
  赤い夕陽に 色添えて
  大和心の 花桜
  ぱっと散ったと 書こうかしら


6 弾に当った あの時に
  天皇陛下 万才と
  三度(みたび)叫んだ あの声を
  そのまま書いて 送ろうか


7 涙で書いた この手紙
  涙でよんで 笑うだろう
  君の母君 妹御(いもうと)も
  やっぱり大和(やまと)の 女郎花(おみなえし) 


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