愛 馬 花 嫁

作詩 西条八十  作曲 万城目正
昭和15年
1 ぬしは召されて 皇国(みくに)の勇士
  わたしゃ銃後の 花嫁御寮
  ぬしの形見の 可愛い黒馬(あお)に
  秣刈りましょ 飼餌(かいば)も煮ましょ
2 忘れられよか 去年の春を
  黒馬に揺られて 初里帰り
  ぬしに手綱を とられて越えた
  峠三里は ただ夢の中


3 雨の露営へ 弾薬積んで
  朱(あけ)に染まって 来た馬見たら
  みんな泣いたと 戦地の便り
  黒馬も早よなれ 名誉の馬に
4 お舅さまさえ 元気でござる
  なんで辛かろ 銃後の嫁は
  黒馬を大事に きりりと襷
  ぬしの手柄を ただ待つばかり


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