江 田 島 健 児 の 歌

作詩 神代猛男  作曲 佐藤清吉
大正11年
1 澎湃(ほうはい)寄する 海原の
  大波砕け 散るところ
  常磐の松の みどり濃き
  秀麗(しゅうれい)の国 秋津州
  有史悠々 数千載(すうせんざい)
  皇謨(こうぼ)仰げば 弥(いや)高し


2 玲瓏(れいろう)聳(そび)ゆる 東海の
  芙蓉の嶺を 仰ぎては
  神州男児の 熱血に
  我が胸さらに 躍るかな
  ああ光栄の 国柱
  護らで止まじ 身を捨てて


3 古鷹山下水清く
  松籟(まつかぜ)の音冴ゆるとき
  明け離れ行く能美島の
  影紫にかすむ時
  進取尚武(しんしゅしょうぶ)の旗上げて
  送り迎えん四つの年


4 短艇海に 浮かべては
  鉄腕櫂(かい)も 撓(たわ)むかな
  銃剣とりて 下り立てば
  軍容粛々 声もなし
  いざ蓋世(がいせい)の 気を負いて
  不抜の意気を 鍛わばや


5 見よ西欧に 咲き誇る
  文化の影に 憂い有り
  太平洋を 顧(かえ)り見よ
  東亜の空に 雲暗し
  今にして我 勉(つと)めずば
  護国の任を 誰(たれ)か負う


6 ああ江田島の 健男児
  時到りなば 雲喚(よ)びて
  天翔(てんか)け行かん 蛟龍(こうりゅう)の
  地に潜むにも 似たるかな
  斃(たお)れて後に 止まんとは
  我が真心の 呼(さけ)びなれ


 index