近所に僕をとても可愛がってくれたお兄ちゃんがいました。満蒙開拓義勇軍に入隊されたので、みんなでこの歌を歌いながら駅まで見送りました。お兄ちゃんは汽車が見えなくなるまでデッキから身を一杯乗り出して手を振っていました。終戦になっても行方不明、遺骨も帰って来ませんでした。今でもこの歌を歌いますと満州の何処かで眠っている、優しかったお兄ちゃんの顔が浮かんで来ます。 合掌 |
国 民 進 軍 歌 作詩 光元篤之助 作曲 松田洋平 昭和15年 |
1 この陽 この空 この光
アジアは明ける おごそかに 燃える希望の 一億が 傷痍の勇士、背に負うて いま踏みしめる 第一歩 使命にこぞる 進軍だ 2 その血 その肉 その命 国にささげた 忠魂に 尽きぬ感謝の 一億が 誉れの遺族 もり立てて いま足音も 高々と 理想つらぬく 進軍だ 3 あの子 あの父 あの夫 皇国の楯と 征(ゆ)きに征く 揮う銃後の 一億が 強者(つわもの)の家 扶(たす)けつつ いま前線に 呼応して 声もとどろく 進軍だ 4 わが身 わが意気 わが力 心ひとつに 協(あわ)せつつ 強い覚悟の 一億が 帰還の勇士 先立てて いま大陸に 大洋に 国をあげての 進軍だ |
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