重 い 泥 靴
作詩 坂口 淳 作曲 三界 稔
昭和15年
1 雨に打たれて アカシアの
花がこぼれる 泥濘(ぬかるみ)を
重い泥靴 踏みしめて
進む緑の 戦線よ
2 今日で十日も 雨ばかり
いつになったら 晴れるやら
馬も砲車も 濡れねずみ
青い大空 恋しいぞ
3 湿気(しけ)た乾麺麭(かんぱん)囓りつつ
咽(む)せる水筒 喇叭呑み
君も吸えよと 戦友が
呉れた煙草も 黴(かび)臭い
4 肩に食い込む 背負嚢
揺すり上げては 又進む
雨の曠野の 鉄兜
泥にまみれて 黙々と
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