西 湖 の 月
作詩 島田磐也 作曲 能代八郎
昭和13年
1 鳴くは虫の音(ね) 草枯れて
露は戎衣(じゅうい)を 濡(ぬ)らさねど
還らぬ 戦友(とも)は 今いづこ
西湖の月よ 答えかし
2 亡き戦友を 偲(しの)びつつ
君が形見(かたみ)の 尺八を
手に取り吹けば 打ち寄せる
小波(さざなみ)悲し 西湖畔
詩吟:
「海を渡る連檣(れんしょう) 百万の兵
雄心(ゆうしん)楽々 湖上を圧す」
3 杭州湾の 上陸に
死なば共にと 誓ったが
不覚や俺は 未だ生きて
戦火の跡(あと)に 銃を執る
4 思えば過ぎし 激戦も
今じゃ露営の 夢の中
ああ杭州の夜は 更けて
西湖の月も 傾むきぬ
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