1 恩賜の煙草を いただきて
あすは死ぬぞと 決めた夜は
広野の風も 腥(なまぐさ)く
ぐっと睨んだ 敵空に
星が瞬(またた)く 二つ三つ
2 すわこそ征けの 命一下
さっと羽ばたく 荒鷲へ
何を小癪な 群雀(むらすずめ)
腕前見よと 体当たり
敵が火を噴く 墜ちてゆく>
3 機首を回した 雲の上
今の獲物を 見てくれと
地上部隊に 手を振れば
どっと揚った 勝鬨(かちどき)の
中の担架が 眼に痛い
4 しめたぞ敵の 戦車群
待てと矢を射る 急降下
煙る火達磨 あとにして
悠々還(かえ)る 飛行基地
涙莞爾(かんじ)と部隊長
5 世界戦史に 燦然(さんぜん)と
輝く陸の 荒鷲へ
今日もうち振る 日章旗
無敵の翼 とこしえに
守るアジアに 栄あれ |